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「逐次通訳」「同時通訳」「ウィスパリング」は、それぞれどういうイベントに適しているのですか。
 
 イベントの主催者として通訳の種類を選択する際には「時間」「予算」「雰囲気」に留意すべきでしょう。

時間  たとえば同じ1時間の講演でも、逐次通訳の場合、実際に講演者が話すことのできるのは30分間になります。残りの30分は通訳者の持ち時間です。同時通訳になると、講演者も通訳者も1時間ずつの持ち時間になります。
 3ヶ国語以上を使用する行事を逐次で通訳すると、たとえば話者が日本語で話した内容を日独通訳者がドイツ語に訳出し、日英通訳者が(あるいは独英通訳者が日独通訳者の訳出をベースに)英語に訳出し、と3倍の時間が必要になります。これでは、話しているほうも聞いているほうも間が抜けてしまいますので、3ヶ国語以上を使用するイベントでは同時通訳をお勧めします。

予算  同時通訳の場合は同時通訳ブース、マイク、ワイヤレスレシーバーとヘッドホン、といった機材が必要となります。自前の機材がない場合は技術者込みでリースしなければなりません。この場合、聴衆の人数に比例してレシーバーとヘッドホン数も増えるため、リース料が嵩みます。また、逐次通訳の場合は拘束時間3.5時間以内の業務はひとりの会議通訳者で大丈夫ですが、同時通訳の場合は原則二人の会議通訳者が必要になりますので通訳者にかかる報酬も倍になります。

雰囲気  晩餐会等の格式ある席ではヘッドセットをつけるのを嫌うお客様もいらっしゃるかもしれません。また、テーブルの上をコードが這うのは見苦しいと思われる方もいらっしゃるでしょう。そういう場合は逐次通訳をお勧めします。

 時間の要素と予算の要素を考えて短絡的にウィスパリングを選びたくなる場合があるかもしれませんが、ここで留意すべきことは、ウィスパリングの場合は通訳者の訳出を聞き取れる聴衆の数が限られていることと、ウィスパリングしていると周辺のお客様にとって迷惑になること、また、通訳者にとっては最悪の音響コンディションにおける業務であり、ベストパフォーマンスは期待できないことです。したがって、非常に限られた状況下でしか使えないのがウィスパリングです。

 ちなみに、通訳者の立場からすると業務内容が逐次通訳であっても同時通訳であっても構いません。肝心なのは通訳の種類ではなく、通訳環境です。すなわち、事前に資料は提出されるのか、室内の音響はどうか、マイク等の機材は揃っているか、通訳者は何人いるのか、といったことが重要なのです。通訳環境さえ整っていれば、逐次通訳であれ同時通訳であれ、通訳者としてのベストパフォーマンスをお約束できます。


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